第2回講演会!~生きる~

学生さんからいただいた質問【5】

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事前に書面で、jive宇都宮[笠原健一]宛てにお寄せいただいたご質問に回答いたします。

 

37.先生をしていて、一番嬉しかったのは、どんな時ですか

僕は、塾の講師から“先生”を始めたので、授業をとても大切にしていました。「先生の授業を受けて、勉強が楽しくなったよ。成績が上がったよ。」と言われるのが、とても嬉しかったです。

養護学校で働いていた頃は、ひょっとしたら思い込みかもしれないけれど、子どもたちと、心が通じ合ったように感じる瞬間がありました。そのときは、ほんとうに嬉しかったです。

38.どうして教師という仕事を選んだのですか

学生時代に、学習塾でアルバイトをしていました。とにかく楽しくて、夢中になりました。子どもたちと関わる仕事は、とても楽しかったし、やりがいも感じていたので、教員を志すようになりました。

39.生徒に今一番伝えたいこと

幸せの価値観は、人それぞれだと思うのですが、とにかく、みんなに幸せになってほしい、と願っています。理想論かもしれないけれど、そう思います。

40.障がい者について

僕は、“障がい者”“健常者”という言葉が苦手です。もちろん、社会生活を営む上では、区別は必要なのですが、実際に接するときは、「同じ人間なんだ」という気持ちで、対等に接していきたいと思い続けてきました。

今、自分も、徐々に、できないことが増えているし、日常的にてんかん発作も起こしているので、これから、“障がい者”になっていく自分が、その信念をどこまで貫くことができるのか、というのが、今の僕の課題です。

41.養護学校について 

「養護学校」は、これから「特別支援学校」になっていきます。「自立支援法」も、これから、変わっていくと思います。

今、世界的に経済が不安定になっているので、「福祉」の部分は苦しくなっていくと思います。子どもたちを取り巻く状況が変わっていく中で、少しでも悲しみが減って、子どもたちが、より活き活きと通学することのできる学校になって欲しいな、と願っています。

42.養護学校で大変だったことは?

僕は、上司や、先輩に恵まれた環境だったのですが、やはり、養護学校は「チーム」で仕事をすることが多いので、そういう部分は、僕なりに、気を遣った記憶があります。

43.教育とは

未来を創ることだと思います。

44.若い人たちに伝えたいことは

僕は偉そうなことを言える立場ではありません。

でも、それでも、何か言うとしたら、「できれば、さまざまな分野の本を、たくさん読んだほうがいい」と思います。ひとりの人間が体験できることは限られていますが、本を読めば、たくさんの生き方、考え方に触れることができます。

僕は、他者に「想像力」を働かせることがとても大切だ、と考えているので、読書を通じて、抽象的に物事を考えたり、共感したり、自分の知らない世界を知ったりすることは、とても有意義なことだと思います。

45.今、この場にいる気持ちは

もう二度と、教壇に立つことは無いと思っていました。病を得たとき、僕は、病気になったということよりも、もう学校で働けなくなってしまった、ということのほうが、つらかったのです。

だから、とても嬉しいです。このような機会を与えて下さった、金福漢先生と、埼玉福祉専門学校の皆様に感謝したいです。ありがとうございます。

46.現在はどのような活動を行っていますか

障がい福祉サービスの事業所で、事務のパートをしています。僕のようなからだで働けるのは、上司と、職場の皆様の、理解があるからこそ、です。恵まれていると思います。感謝しています。

病を得てからコンピュータについて勉強したので、呼ばれれば、「出張」して、コンピュータの不具合を直したり、ネットワークの調整をしたりすることもあります。依頼された書類やホームページ作成を自宅で行うこともあります。

また、「何かやりたい、でも、ひとりの力ではできない」という、“障がい”を持った仲間のサークルを作り、いちおうリーダーとして、さまざまな活動をしています。仲間の社会参加や、自己実現を応援する仕事に、やりがいを感じています。

「余命宣告.com」をご覧になったかたから、いろいろなメールが来るので、可能な限り返事を書いています。

あと、家では、「食器を洗う係」です。

ブログには、自分の日々の想いを、書き続けています。

以上です。いただいたご質問に答えながら、
僕は、自分と向き合う機会を得ました。
ありがとうございます。

 

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(2008.12.13 笠原健一[jive宇都宮])

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