『ハートは心臓にある』(jive宇都宮)
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2006年 夏
重積痙攣発作を起こして、僕は、4度目の入院をした。正直、思い出したくないくらい、苦しかった。2006年の夏を、僕は、病院の中で過ごした。自分が何なのか、よく分からなかった。ずっと、自分がずれているように感じていた。混乱が収まるまで、1か月近くかかったと思う。
退院間近、僕は、主治医に、自分の病気について、詳細に尋ね、そして、今後、起こり得る可能性について、知った。
ベッドに備え付けの机に向かって、毎日、何かを書いていた。とにかく、自分が生きてきた証を、どこかに刻みこんでおきたい、そんな気持ちで書いていたと思う。
退院してからも、布団の上で、うつ伏せになって、書いていた。もう、何を書いているのか、自分でもよく分からないくらい、メチャクチャに書いていた。
原稿に番号をつけ、妻(当時はまだ結婚していなかった)に頼んで、コンピュータに打ち込んでもらった。
タイトルは、『ハートは心臓にある』とした。
友だち何人かに読んでもらったけれど、自分でもよく分からないで書いているんだから、当然、分かってもらえるはずがなかった。でも、何か、とにかく、想いだけは、伝わったよ、というような感想を、たくさんもらった。
今日、仕事をしていたら、ハードディスクに原稿が残っているのを発見した。
読みなおしてみたら、懐かしかった。
他人が読んで面白いものじゃないかもしれないけれど、「自分が一番苦しかったときに書いていた文章」を、この『余命宣告.com』に残しておこう、と決めた。
*読んで、時間と労力を損してもかまわないという、心優しいかただけ、何かの折に、てきとうに斜め読みしてみてください。
(jive宇都宮 [笠原健一] 2008.11.17)
『ハートは心臓にある』(heart_2006.10.12.pdf [111KB])